2018年1月1日
非日常に心酔しても日常を疎かにしてはいけない。
日常の地を担保するのは、これまで歩んできた道のりと、
そこからもたらされる生きた心地であり、
そこから発せられる「自分らしさ」である。
目標、ビジョン、プランに腐心して目の前の日常が見えないようでは先行きもおぼつかない。
先の見えない時の流れに恐怖すら覚えるのはいたって自然なことである。
そんな中にいてこそ、まずは自己の歩んできた道のりをしっかりと見つめ、
成功を見落とさず、失敗を受け入れ、「生身の己」としての実体と自信を醸成し続ける。
他者と比べることなく、自身が持ち合わせているものそれだけを見つめ、
日常がその上にこそ成り立っている事実を仰ぎ見て、
時の流れに臆する自己を鼓舞してゆく。
長い年月をかけて刻まれる年輪も中を覗いてみなければそのすごみは伝わりづらい。
人生を通して経験したかけがえのない沢山の出来事も、
日常の雑踏の中では見失いがちになり、ましてや活かすこととは程遠い。
自らのアイデンティティをしっかりと見つめ直し、整理し、
雑踏に惑わされることなく保ち続ける。
自らに刻まれた確かな年輪とその価値こそが、
自己を時の流れに根差した揺るぎない巨木へと育て上げてくれる。