好奇心

(講演テーマより抜粋)
子供に漲り溢れ出るその躍動感は、常に絶えることのない好奇心によって支えられている。両親の惜しみない愛情に包まれ、安全圏と確固たる自己を感じ取れる時、子供達はその旺盛な好奇心を存分に発揮するのである。
ドイツでは「本能Instink」という言葉を人に対して用いることを忌み嫌う傾向にあり、それは宗教的・哲学的価値観に基づいた人間の動植物に対する優位性から生じるものである。これに対し日本では、大国主命が兎と言葉を交わすかのように、古くから人と動物は同等の生き物であるという価値観が浸透し、また時に神々として崇められる動植物は、むしろ人間より優位の位置を占めると解釈することもできる。
このような背景から、日本的価値観において「本能」は命あるものとしての本質を司る能力ということができ、それはまた「本能」という表記からも明確に見出されるものである。そして人や動植物は、「本能的に好奇心を備えている」と私は考える。好奇心は命ある物が天地より分け隔てなく与えられる生き物としてのポテンシャルなのである。もっとも、学術にその基礎となる「理」が不可欠であるように、人においてはただ動物的であるのみならず、社会性や概念といった、ある一定の観念的な秩序がその活動において求められるのであり、このように鑑みると、西洋において理性という概念が発達したことも必然的と言えるであろう。
好奇心は躍動感溢れる子供達をその輝ける未来へと先駆する。そんな活き活きとした実感が成長と共に情熱を育んでいく。こうして幼少期に育まれた情熱は人としての快活さを保証し、いくつ歳を重ねても絶えることなくその先の未来へと駆り立てるのであり、そんな溌剌とした人としての在り方は、果ては後世の人々を導く原動力となるはずである。
このように、好奇心は生身の人にとっての動力源であり、そして理性によって縁取られた好奇心の秩序ある発動こそが、命ある人としての本来的な在り方を導くのである。

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