2011年11月1日
謙虚であるということはどういうことか。その意味を取り違えてはいけない。
控え目であることは謙虚さの一部を成すことがあるが、
本当に大切なのはそういうことではない。
謙虚な人間は、自己の失敗・未熟さ・遅れに対して動じない。
謙虚な人間は、他者から可能な限りのものを学び、
吸収しようという貪欲さを秘めている。
経験の積み重ねから来る自信は、またそれも非常に大切だが、
それを人と比べたり、過剰になるようなことがあると、
野心と不安の狭間で人は自己を見失う。
「自分などまだまだ」という姿勢を貫くためには、
むしろ脚色の持たない、洗練された本当の自信を持たなければならない。
本当の目で自身を見定めた、生身の大きさの自分でいてこそ、
他者に対する尊敬、敬意を抱き、
そこからたくさんのものを吸収することができる。
とても勇気のいることだ。一度自身の測り方を見失った自信は弱さとなる。
謙虚であるということは、心の継続的な主体性でもって、
不完全な自己の真実を愛するということ。
人は謙虚であることによって、
社会との健全なつながりを紡ぎ出していくことができる。